今日のブログは、小学生の「国語力」が中学で武器になる理由について書こうと思います。
小学生に「苦手な教科は何?」と聞くと、
8割くらいの生徒が「算数!」と答えます。
実は、その苦手な算数も、「国語力」が原因かもしれません。
目次
意外と国語は、出来ていないことに気づかない。
小学生でも、中学生でも、国語ができていないと気付かないことが多いです。
なんとなく、出来ている気がする。
国語の問題って、文章を読んで、問題を解く。
けど、実は全部しっかり読んでいる子は少ないんですよね。
なぜなら、大体答えが、傍線部の前後に書いてあるから。
書き抜きの問題なら、内容を理解して解答するよりも
指定された文字数を見つける。
「8文字で抜き出しなさい」と聞かれたら、
8文字を探す。
それでは、国語力というより、数字を数えるだけになってしまいます。
また、選択肢問題の場合だと、
内容よりも、同じ単語が入っている選択肢を選ぶ。
読解力ではなく、それっぽいのを選ぶ子が多いです。
けど、意外と正答率は悪くない。
だから、自分が国語ができていないんだと気づきにくい。
中学生になると、物語文はできるけど、評論だとできない。
よく、中学生が模試を受けた後に、
「模試どうやった?」と聞くと、
「なんか、物語はできたけど、評論は何言ってるかよくわからんかった」
こう答える子が多い。
そして模試の結果を見てみると
しっかり物語の文章も間違えている。
これはなぜか。
それは、物語は読めている気がするからです。
というのも、物語だと、話の流れはわかりやすいのです。
Aさんがいて、Bさんと話をしていて、なにかあった。
ざっと、話の内容は説明ができてしまうのです。
ただ、「国語力」とは、
しっかり読んで、問題に答えて正解する。
ここまでできないといけません。
読めてると思っているけど、実は読めていないのです。
小学生で、算数ができていないのは「国語力」が原因かも
小学生で、算数に苦手意識が出てくるのが5年生です。
というのは、速さ、平均、割合など文章題が出てくるから。
文章題が苦手なのは、読み切れていないから。
近年、スマートフォンを小学生でも持つことが多くなっていて
tiktokやyoutubeなど、15秒という短い時間で
耳から情報を入れています。
そこになれてしまうと、
小学校の文章問題(1~3行程度)でも、しっかり読むことがめんどくさくなる。
すごく気持ちがわかります。
私も、小学校の算数の文章問題を指導する際に、
「解いてみましょう」というと
解けない、わからないが多発するのですが
私が、解説もせずに問題文を音読するだけで
「あ、わかった」という子がたくさんいます。
もう一度言います。音読するだけでですよ。
つまり、読むという行為に、そもそも慣れていない子が多いのです。
算数の文章題の「凡ミス」は、凡ミスではないことが多い。
もちろん計算ミスとかは、あります。
ここで問題視しているのが、文章問題の読み間違い。
これは、凡ミスではありません。
計算ミスだと、どこが間違えたのかすぐに理解でき、
次、ミスをしないようにどうするかは、小学生もすぐにわかります。
ただ、文章題の読み間違いは、
次、どうするかに対して
「しっかり読む!」と答えます。
ただ、しっかり読むといっても
絶対に、次、同じミスをします。
なぜなら、読みなれていないか、そもそも何を言っているかわかっていないからです。
高校入試になって国語ができていないことに気が付く。
実は、中学に入っても国語ができていないことに気づかずに、
中3になって受験を意識しだした時にようやく気が付きます。
中学の定期テストでは、「国語力」はいらない。
実は、中学の定期テストの国語は、「国語力」なんて必要ありません。
なぜなら、定期テストの国語の問題は、
学校で習った文章と全く同じ問題しか出ません。
つまり、出題されるであろうところを暗記するだけで得点できてしまいます。
たくさん問題を解けば、
内容が理解できていなくても解ける。
しかし、入試になるとどうか。
初めて見る文章を読んで解く。
定期テストの勉強だけをしていたら
入試で解けなくなる。
実際に、定期テストの国語が80点を越えていても
模試や実力テストを受けると
思っている点数が取れなくなる。
中学生から努力して定期テストが取れる子が陥るパターンです。
理科、社会も「国語力」が響く。
高校入試の過去問を見ると、
理科も社会も問題文がかなり長いです。
暗記だけしていても、問題文を読み切れずにミスが多発します。
実際に、過去問を解いて、解説をすると
「なんや、簡単やったやん!」
そういう子がめちゃくちゃ多いです。
けど、そもそも国語力がないと、
入試の時だけ頑張って読もうと思っても
必ずミスや、日々のテストよりも集中力を使いすぎて
最後の問題を解くころには、疲れ切って
テキトーに問題を解いてしまう。
せっかく暗記した知識が使えなくなってしまいます。

実際の理科の去年の大阪公立高校の過去問です。
とにかく文が長い!
大阪の公立高校の国語は、記述がある。
国語の大阪の公立高校の入試では、
記述問題が必ず出ます。
問題を読んで、問題文の意図を理解して、自分の意見を書く。
テクニックで、解くのではなく、
鍛えてきた国語力に+aで書き方や、テクニックが必要となってくるのです。
岩村塾での国語の指導とは
岩村塾の国語の指導は、問題に正解するためのテクニックの指導ではなく、
「読解力」をがっちり固めることに特化します。
土台から徹底的に固める。
まずは、
①1文をしっかり理解する。
②1文と1文の関係性を理解する。
③1段落で、「何を言いたいのか」を理解する。
④段落と段落の関係性を理解する。
⑤文章で筆者が何を言いたかったのか理解する。
この①~⑤を段階別にしっかりと指導します。
国語は、小手先のテクニックで正解するのではなく、
完全に「理解」に特化します。
各問題ごとに選択肢を見ずに答えを確認
よく選択肢問題があった場合、
文章にでてきた単語が含まれているそれっぽい選択肢を選ぶ子が多いです。
それを解消するために
問題が出てきたら、まず選択肢を見ずに
「どういう答えになるのか」を
考えてもらいます。
そうすることによって、選択肢に惑わされない
しっかりとした「読解力」が身につき、
高校受験、大学受験においても
国語が武器になります。
最後に
実はできていないことの気づきにくい国語。
その国語力は、一気に伸びるものではありません。
ただ、どの教科においても重要です。
小学生のうちから、しっかり土台を固めることで
中学、高校に上がっても、必ず強みになります。